どうせ始まらない / 稲垣潤一 & 水谷千重子

★★★☆☆

偶然再会した元恋人同士——そんな昭和の情景を丸ごとカラオケで再現できる、ちょっと不思議なデュエット曲。

基本情報

  • 2017年9月27日リリース 
  • 作詞:秋元康  作曲・編曲:後藤康二(ck510)
  • 「今ちゃんの『実は…』」エンディングテーマ
  • 男女デュエット
  • 全体評価(★★☆☆
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稲垣潤一は1953年生まれ、仙台出身。
1982年にシングル「雨のリグレット」でデビューし、「ドラマティック・レイン」「夏のクラクション」「クリスマスキャロルの頃には」などのヒットで日本を代表するAORシンガーとしての地位を確立した。
ドラムを叩きながら歌うスタイルでもよく知られ、デュエット曲の数は通算61曲(アルバム『HARVEST』時点)にのぼる、デュエット曲では他に類を見ない実績を持つ歌手でもある。

水谷千重子は、お笑いタレント・友近が演じる架空の演歌歌手キャラクター。
「北陸のひばり」という設定の大御所演歌歌手で、独特のキャラクターとその高い歌唱力から、コントの枠を超えて本格的な音楽活動を展開。
CDリリースやコンサート開催、本物の歌手たちとのデュエットまで実現している。

曲の印象

タイトルだけ見ると、恋が始まる前の逡巡や片思いの曲かと思うかもしれない。
でも実際に聴くと、そこにあるのはもっと大人な空気だ。
かつて恋人同士だったふたりが、偶然再会する——そんな設定を持つ曲で、過ぎた恋への未練と、それでも踏み出せない大人の距離感のようなものを歌っている。

サウンドはJ-POPとAORをベースにした落ち着いた大人のポップス。
しっとりしすぎず、かといって派手でもない、昭和歌謡のムードをまとった絶妙な温度感が心地いい。
MVはわざとカラオケ映像風に撮影されており、そのレトロな雰囲気も含めて「カラオケで歌う」こと自体を楽しむように設計された曲と言える。

ふたりのパートの役割分担が明確で、稲垣潤一の渋みのある声と水谷千重子(友近)の情感のある歌声が絡み合うとき、なんとも言えない味が出る。
上手に歌うというより、このふたりの間の空気を一緒に体験するような曲だ。

AOR(Album Oriented Rock)

1970〜80年代に流行したアメリカ発のジャンルで、ロックをベースにしつつ洗練されたアレンジと都会的な雰囲気を持つ大人向けのポップスのことです。日本では稲垣潤一や山下達郎などがその代表格とされています。

ハモリ

全体傾向

Aメロは男女がそれぞれの言葉を交互に受け渡すスタイルで進む。
サビの手前(Bメロにあたる部分)からふたりの声が重なり始め、サビでも引き続きハモリが入る。
ハモリがある箇所はサビとその直前で、Aメロは基本的に掛け合い中心となっている。

ハモリの音程関係については、耳で聴いた印象として一方が主旋律を歌い、もう一方がそれに寄り添うように別の音程を重ねている。
ただし、具体的な音程差(3度・5度など)については確信がないため、ここでは記載しない。
実際の音源や練習動画で耳で確かめながら覚えるのがいちばん確実だ。

注意ポイント

Aメロはそれほど難しくないが、サビ前からハモリが始まるので、自分のパートが主旋律なのかハモリなのかを事前に把握しておくことが大切。
どちらのパートもサビでは声が重なるため、相手の声につられて自分のパートがぶれやすい。
練習の段階で、自分のパートの音をしっかり耳に入れておくことがポイントになる。

一人練習

自宅練習

🎵 サブスクで聴く → YouTube Musicで聴く  Spotifyで聴く
※サブスクリプション登録が必要です

パート練習で動画をあげてくれてる方がいるので参考にしてください。
女性パートは原曲でも聴き取りやすいかと思います。

MVはスナックを舞台に、カラオケ映像風の演出で撮影されている。
歌詞の世界観と映像がセットで楽しめるので、まずはMVを見ながら全体の空気感をつかむのがおすすめ。

MVで歌の全体をつかむ👇

DAMの場合

  • ガイドボーカル対応なし

JOYSOUNDの場合

  • ガイドボーカル対応なし

こんな人におすすめ

  • 昭和ポップス・スナック歌謡が好きな人
  • ちょっとドラマ性のある曲を歌いたい人
  • テンポが速すぎない落ち着いた曲を探している人
  • 話題性のある組み合わせ(友近×稲垣潤一)として選曲したい人

まとめ

  • 稲垣潤一パートは男性の中では高めの音域
  • サビとサビ前でハモリがある
  • 昭和感とユーモアが効いている

全体評価:★★★☆☆

歌いやすさ基準はこちら

派手さはないが、曲の世界観に乗り切れるかどうかが勝負の曲。
稲垣潤一パートは男性としてはやや高めなので、キー調整なしで歌いこなせるかどうかは事前に確認しておきたい。
水谷千重子(友近)の演歌スタイルと稲垣潤一のクールで抑えた歌い方が交差するあたりの”すれ違い感”がこの曲の面白さで、それを楽しめれば選んで正解だと思う。
友近のキャラクターを知っているメンバーがいる場面では、それだけで笑いと拍手が生まれる。

ひとこと

これ、歌いたいんですけど相手がいなくて困ってます。

それはさておき、この曲の世界観、なんか刺さるんですよね。
かつて付き合ってた人と、何年もたって街でばったり会ったら——どんな顔すればいいんだろう、って。
聞きたいことはあるけど、聞かない方が幸せなこともある。
それがわかる年齢になってしまったというか。
大人ってめんどくさいな、と思いつつ、でもその「めんどくさい」がこの曲の一番の旨味なんだと思います。

そういう気持ちを知ってる人と、ぜひ一緒に歌いたい一曲です。

こういう人は歌ってみて!

スナックの雰囲気に浸りたいなら、この曲が連れて行ってくれる。
歌うというより、ふたりでひとつの物語を演じる感覚——それがこの曲の一番の醍醐味だ。

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